この記事では、WCS2026マスターカテゴリ準決勝「山崎琢選手 vs ザカリー・ウィード選手」のBO3全3戦を、将棋の棋譜のように1手ずつ追っていきます。
(AIを使用して書いてます)
ここでは6匹のチームを「持ちポケ」と呼びます。
数え方は、
・最初の先発2匹を選ぶ=1手
・1匹を交代する=1手
・1匹が技を使う=1手
・控えからポケモンを出す=1手
として整理します。
持ちポケ
▲山崎琢選手
| 持ちポケ | 持ち物 |
|---|---|
| カイリュー | カイリュナイト |
| フラエッテ | フラエッテナイト |
| イダイトウ | いのちのたま |
| ドドゲザン | ヨプのみ |
| ガブリアス | こだわりスカーフ |
| オオニューラ | きあいのタスキ |
山崎選手の持ち物・技構成はWCS2026公開チームデータで確認できます。
△ザカリー・ウィード選手
| 持ちポケ | 持ち物 |
|---|---|
| ユキメノコ | ユキメノコナイト |
| オオニューラ | しろいハーブ |
| ルガルガン(たそがれのすがた) | きあいのタスキ |
| イダイトウ | いのちのたま |
| ドドゲザン | くろいメガネ |
| スコヴィラン | スコヴィランナイト |
ザカリー選手の6匹と持ち物も公開チームデータで確認できます。
第1戦
結果:△ザカリー・ウィード勝利
選出
| ▲山崎 | 持ち物 | △ザカリー | 持ち物 | |
|---|---|---|---|---|
| 先発1 | カイリュー | カイリュナイト | ユキメノコ | ユキメノコナイト |
| 先発2 | イダイトウ | いのちのたま | イダイトウ | いのちのたま |
| 控え1 | ドドゲザン | ヨプのみ | ルガルガン | きあいのタスキ |
| 控え2 | ガブリアス | こだわりスカーフ | オオニューラ | しろいハーブ |
棋譜
| 手 | 選手 | ポケモン | 指示・行動 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ▲山崎 | ― | カイリュー+イダイトウを先発に選択 | 初期盤面完成 |
| 2 | △ザカリー | ― | ユキメノコ+イダイトウを先発に選択 | 初期盤面完成 |
| 3 | △ | イダイトウ | ルガルガンへ交代 | ルガルガン登場 |
| 4 | △ | ユキメノコ | まもる | 攻撃を防ぐ |
| 5 | ▲ | イダイトウ | まもる | 攻撃を防ぐ |
| 6 | ▲ | カイリュー | メガ進化+ねっぷう | ルガルガンのきあいのタスキを発動させる |
| 7 | ▲ | カイリュー | ドドゲザンへ交代 | ふぶき対策 |
| 8 | △ | ルガルガン | アクセルロック | カイリュー方向を狙う |
| 9 | ▲ | イダイトウ | アクアジェット | ルガルガン戦闘不能 |
| 10 | △ | ユキメノコ | ふぶき | カイリューはすでに交代済み |
| 11 | △ | ― | オオニューラを繰り出す | オオニューラ登場 |
| 12 | ▲ | ドドゲザン | ガブリアスへ交代 | ガブリアス登場 |
| 13 | ▲ | イダイトウ | まもる | シャドーボール対策 |
| 14 | △ | オオニューラ | ねこだまし | ガブリアスに命中。さめはだで反動 |
| 15 | △ | ユキメノコ | シャドーボール | イダイトウがまもる |
| 16 | △ | オオニューラ | イダイトウへ交代 | イダイトウ再登場 |
| 17 | ▲ | ガブリアス | じだんだ | △イダイトウを大きく削る |
| 18 | △ | ユキメノコ | シャドーボール | ▲イダイトウ戦闘不能 |
| 19 | ▲ | ― | ドドゲザンを繰り出す | ドドゲザン登場 |
| 20 | △ | ユキメノコ | まもる | ふいうちを回避 |
| 21 | ▲ | ドドゲザン | ふいうち | △イダイトウ戦闘不能 |
| 22 | △ | ― | オオニューラを繰り出す | オオニューラ再登場 |
| 23 | ▲ | ガブリアス | カイリューへ交代 | カイリュー再登場 |
| 24 | ▲ | ドドゲザン | ふいうち | ユキメノコの補助技により不発 |
| 25 | △ | ユキメノコ | オーロラベール | 防御・特防を補強 |
| 26 | △ | オオニューラ | インファイト | ドドゲザン戦闘不能。しろいハーブ発動 |
| 27 | ▲ | ― | ガブリアスを繰り出す | ガブリアス再登場 |
| 28 | △ | オオニューラ | まもる | 攻撃を防ぐ |
| 29 | ▲ | ガブリアス | いわなだれ | ユキメノコを削る |
| 30 | △ | ユキメノコ | ふぶき | カイリューが耐える |
| 31 | ▲ | カイリュー | ねっぷう | ユキメノコをイエローゲージまで削る |
| 32 | △ | オオニューラ | ダストシュート | カイリュー戦闘不能 |
| 33 | ▲ | ガブリアス | いわなだれ | ユキメノコ戦闘不能 |
| 34 | △ | オオニューラ | インファイト | ガブリアスに大ダメージ |
| 35 | ▲ | ガブリアス | いわなだれ | こだわりスカーフで技固定 |
| 36 | △ | オオニューラ | インファイト | ガブリアス戦闘不能 |
第1戦はザカリー選手が取得。
ザカリー 1-0 山崎。
第2戦
結果:▲山崎琢勝利
選出
| ▲山崎 | 持ち物 | △ザカリー | 持ち物 | |
|---|---|---|---|---|
| 先発1 | フラエッテ | フラエッテナイト | スコヴィラン | スコヴィランナイト |
| 先発2 | イダイトウ | いのちのたま | イダイトウ | いのちのたま |
| 控え1 | ガブリアス | こだわりスカーフ | オオニューラ | しろいハーブ |
| 控え2 | 未登場 | ― | ドドゲザン | くろいメガネ |
山崎選手の4匹目は試合中に登場しなかったため、映像上では確認できません。
棋譜
| 手 | 選手 | ポケモン | 指示・行動 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ▲山崎 | ― | フラエッテ+イダイトウを先発に選択 | 初期盤面完成 |
| 2 | △ザカリー | ― | スコヴィラン+イダイトウを先発に選択 | 初期盤面完成 |
| 3 | △ | イダイトウ | まもる | 集中攻撃を防ぐ |
| 4 | ▲ | フラエッテ | メガ進化+マジカルシャイン | スコヴィランを削る |
| 5 | ▲ | イダイトウ | おはかまいり | △イダイトウのまもるで防がれる |
| 6 | △ | スコヴィラン | メガ進化+オーバーヒート | フラエッテに大ダメージ |
| 7 | ▲ | イダイトウ | まもる | おはかまいりを防ぐ |
| 8 | △ | スコヴィラン | まもる | 攻撃を防ぐ |
| 9 | ▲ | フラエッテ | ムーンフォース | △イダイトウを大きく削る |
| 10 | △ | イダイトウ | おはかまいり | ▲イダイトウのまもるで防がれる |
| 11 | △ | イダイトウ | アクアジェット | フラエッテHP1で耐える |
| 12 | ▲ | フラエッテ | マジカルシャイン | △イダイトウ戦闘不能 |
| 13 | ▲ | イダイトウ | ウェーブタックル | スコヴィラン戦闘不能 |
| ― | ― | フラエッテ | やけどダメージ | フラエッテ戦闘不能 |
| 14 | ▲ | ― | ガブリアスを繰り出す | ガブリアス登場 |
| 15 | △ | ― | オオニューラを繰り出す | オオニューラ登場 |
| 16 | △ | ― | ドドゲザンを繰り出す | ドドゲザン登場 |
| 17 | △ | オオニューラ | ねこだまし | ガブリアスひるむ |
| 18 | ▲ | イダイトウ | ウェーブタックル | オオニューラが耐える |
| 19 | △ | ドドゲザン | つるぎのまい | 攻撃上昇 |
| 20 | ▲ | イダイトウ | アクアジェット | オオニューラ戦闘不能 |
| 21 | △ | ドドゲザン | ふいうち | ガブリアスが耐える |
| 22 | ▲ | ガブリアス | じだんだ | ドドゲザン戦闘不能 |
第2戦は山崎選手が取得。
山崎 1-1 ザカリー。
第3戦
結果:▲山崎琢勝利
選出
| ▲山崎 | 持ち物 | △ザカリー | 持ち物 | |
|---|---|---|---|---|
| 先発1 | フラエッテ | フラエッテナイト | イダイトウ | いのちのたま |
| 先発2 | イダイトウ | いのちのたま | オオニューラ | しろいハーブ |
| 控え1 | ガブリアス | こだわりスカーフ | ユキメノコ | ユキメノコナイト |
| 控え2 | ドドゲザン | ヨプのみ | ルガルガン | きあいのタスキ |
棋譜
| 手 | 選手 | ポケモン | 指示・行動 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ▲山崎 | ― | フラエッテ+イダイトウを先発に選択 | 初期盤面完成 |
| 2 | △ザカリー | ― | イダイトウ+オオニューラを先発に選択 | 初期盤面完成 |
| 3 | ▲ | フラエッテ | ガブリアスへ交代 | ガブリアス登場 |
| 4 | △ | オオニューラ | まもる | 攻撃を防ぐ |
| 5 | △ | イダイトウ | おはかまいり | ▲イダイトウHP6で耐える |
| 6 | ▲ | イダイトウ | おはかまいり | △イダイトウ戦闘不能 |
| ― | ― | ▲イダイトウ | いのちのたま反動 | ▲イダイトウも戦闘不能 |
| 7 | ▲ | ― | フラエッテを繰り出す | フラエッテ再登場 |
| 8 | △ | ― | ユキメノコを繰り出す | ユキメノコ登場 |
| 9 | ▲ | ガブリアス | ドドゲザンへ交代 | ふぶき対策 |
| 10 | △ | オオニューラ | ルガルガンへ交代 | 地面技対策 |
| 11 | △ | ユキメノコ | メガ進化+ふぶき | フラエッテ+ドドゲザンが受ける |
| 12 | ▲ | フラエッテ | メガ進化+ムーンフォース | メガユキメノコを7~8割ほど削る |
| 13 | △ | ルガルガン | まもる | 攻撃を防ぐ |
| 14 | ▲ | ドドゲザン | ふいうち | メガユキメノコ戦闘不能 |
| 15 | △ | ― | オオニューラを繰り出す | オオニューラ再登場 |
| 16 | △ | ルガルガン | インファイト | ドドゲザン戦闘不能 |
| 17 | △ | オオニューラ | ダストシュート | フラエッテを狙うが外れる |
| 18 | ▲ | フラエッテ | マジカルシャイン | ルガルガン+オオニューラを削る |
| 19 | ▲ | ― | ガブリアスを繰り出す | ガブリアス登場 |
| 20 | ▲ | フラエッテ | まもる | じしんを回避 |
| 21 | ▲ | ガブリアス | じしん | ルガルガン戦闘不能 |
| 22 | ▲ | ガブリアス | じしん | オオニューラ戦闘不能 |
第3戦は山崎選手が取得。
最終結果は、
山崎琢 2-1 ザカリー・ウィード。
山崎琢選手がWCS2026マスターカテゴリ決勝進出を決めました。公式実況でも、GAME3最大のポイントとして「ガブリアスをドドゲザンに交代し、ユキメノコのふぶきを受けながらフラエッテのムーンフォースを通したターン」が挙げられています。
追記:3試合を分析すると、山崎選手は何を変えて勝ったのか?
3試合を通して見ると、単純に「山崎選手が2勝した」というだけではありません。
第1戦で相手の6匹と動きを確認し、第2戦で選出を変更。そして第3戦では、ようやく山崎選手が狙っていた対面を作ることに成功しています。
試合ごとに見ていきます。
第1戦|出し負けから、読みで互角近くまで戻した試合
第1戦の山崎選手は、
カイリュー+イダイトウ
でスタート。
対するザカリー選手は、
ユキメノコ+イダイトウ
でした。
この対面について公式実況は、ユキメノコがカイリューとイダイトウの両方に強く、
「圧倒的に出し負けている」
という評価をしています。
ただし、山崎選手はここから交代を使って盤面を作り直します。
特に、
カイリュー → ドドゲザン
と引いたターン。
ザカリー選手はカイリュー方向へのアクセルロックと、ユキメノコのふぶきを選択。
しかしカイリューはすでに場から消えており、山崎選手はイダイトウのアクアジェットでルガルガンを倒します。
さらに次のターンも、
ドドゲザン → ガブリアス
イダイトウ → まもる
と動き、
オオニューラのねこだましをガブリアスで受け、ユキメノコのシャドーボールはイダイトウのまもるで防ぎました。
実況でも、この2ターンについて「2ターン連続で読み勝っている」と評価されています。
つまり第1戦は、
「選出ではザカリー選手が有利」
だったものを、
「試合中の交代と読みで山崎選手が戻していった」
試合だったと考えられます。
それでも最後は、こだわりスカーフのガブリアスが「いわなだれ」に固定されたところへオオニューラが残ります。
オオニューラはしろいハーブを発動して素早さを上げ、ガブリアスより先にインファイト。
ここで第1戦をザカリー選手が取ります。
第2戦|カイリューをやめて、フラエッテに変更
第1戦を落とした山崎選手は、第2戦で大きく選出を変えます。
カイリューではなく、
フラエッテ+イダイトウ
を先発にしました。
ところがザカリー選手は、
スコヴィラン+イダイトウ。
山崎選手本人も試合後のインタビューで、第1戦はスコヴィランを予想してカイリューを選んだもののユキメノコを合わせられ、第2戦はフラエッテに変えたところ今度はスコヴィランを出された、と振り返っています。
つまりGAME1、GAME2とも、先発の噛み合わせではザカリー選手側が一歩上だったことになります。
第2戦の最大の分岐点は、メガフラエッテ。
ザカリー選手のイダイトウがアクアジェットを撃ちます。
フラエッテは倒れるかと思われましたが、
HP1で耐えました。
その1HPによってフラエッテがマジカルシャインを返し、相手のイダイトウを倒す。
同じターンに山崎選手のイダイトウがウェーブタックルでスコヴィランを倒します。
結果、一気に相手の先発2匹が盤面から消えました。
公式実況でも、このHP1耐えを第2戦最大のポイントとして振り返っています。
その後は、
ガブリアス+イダイトウ
に対して、
オオニューラ+ドドゲザン。
ザカリー選手は、
ねこだまし → つるぎのまい
でドドゲザンを強化。
一見すると逆転の形を作っています。
しかし山崎選手は、イダイトウのアクアジェットで先にオオニューラを処理。
ドドゲザン1匹を残す形にして、最後はガブリアスのじだんだで倒しました。
第2戦は山崎選手が取り返し、1-1になります。
第3戦|ようやく作れた「フラエッテ vs ユキメノコ」
第3戦も山崎選手は、
フラエッテ+イダイトウ
を選択。
ザカリー選手は、
イダイトウ+オオニューラ
からスタートします。
序盤、山崎選手はフラエッテをガブリアスへ交代。
イダイトウ同士が「おはかまいり」を撃ち合い、山崎選手のイダイトウはHP6で耐えたあと、相手のイダイトウを倒します。
その後、命の珠の反動で山崎選手のイダイトウも倒れ、1匹ずつ交換。
ここから、
山崎:フラエッテ+ガブリアス
ザカリー:ユキメノコ+オオニューラ
という盤面になります。
そして準決勝最大の読み合い。
山崎選手は、
ガブリアス → ドドゲザン
へ交代。
ザカリー選手も、
オオニューラ → ルガルガン
へ交代。
ユキメノコはメガ進化して「ふぶき」。
ザカリー選手としては、ガブリアスをユキメノコのふぶきで倒しつつ、オオニューラを守り、ルガルガンにガブリアスの地面技を受けてもらう狙いだったと公式解説は分析しています。
しかし山崎選手は、そのガブリアスをドドゲザンへ引いていました。
ふぶきはフラエッテ+ドドゲザンで受ける。
そして返しに、
メガフラエッテのムーンフォース。
メガユキメノコのHPを一気に7~8割ほど削ります。
公式実況も、このターンを
「完全に山崎選手が読み勝っているターン」
と評価。
試合後にも「一番大きかった」と振り返られています。
次のターン、ルガルガンがまもる。
山崎選手はドドゲザンのふいうちでメガユキメノコを倒します。
これで、第1戦から山崎選手を苦しめ続けていたユキメノコが盤面から消えました。
なぜ第3戦の「ガブリアス→ドドゲザン」が大きかったのか
この1手だけを見ると、
「ふぶきを半減できるドドゲザンに交換した」
だけにも見えます。
しかし実際には、それだけではありません。
ザカリー選手側は、
ユキメノコでガブリアスを倒す
↓
オオニューラを温存する
↓
ルガルガンに地面技を受けさせる
という形を狙っていました。
山崎選手は、
ガブリアスを引く
↓
ドドゲザンでふぶきを受ける
↓
フラエッテをそのまま場に残す
↓
ムーンフォースをユキメノコへ入れる
という動き。
つまり、
相手の狙いを外しながら、自分が欲しかった「フラエッテ対ユキメノコ」の対面だけを残した
ことになります。
山崎選手本人もインタビューで、第3戦について、
「3本目、一番やりたかったユキメノコとフラエッテの形にすることができた」
という趣旨で振り返っています。
3戦を並べると、BO3の流れが見える
| 試合 | 選出の状況 | 山崎選手の対応 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | カイリューにユキメノコを合わせられる | 交代と読みで立て直す | ● |
| 第2戦 | フラエッテにスコヴィランを合わせられる | フラエッテHP1耐えから反撃 | ○ |
| 第3戦 | フラエッテを続投 | 交代でフラエッテvsユキメノコを作る | ○ |
面白いのは、第1戦を負けたからといって単純に「別の4匹に変えた」わけではないことです。
第1戦でユキメノコの強さを確認。
第2戦からフラエッテを採用。
第2戦ではスコヴィランを合わせられたものの勝利。
そして第3戦でもフラエッテを信じて続投。
最後にようやく、
フラエッテ vs ユキメノコ
という山崎選手が欲しかった盤面を作りました。
BO3は、1試合ごとにリセットされる3試合ではなく、
前の試合で得た情報を使いながら、次の手を変えていく3試合
ということが、この準決勝を見ると分かりやすいです。
棋譜で見るなら「勝負手」はここ
今回の棋譜の中で1手だけ選ぶなら、
第3戦の「ガブリアス → ドドゲザン」
が大きな勝負手になります。
この交代によって、
・ガブリアスをふぶきから守る
・ドドゲザンでふぶきを受ける
・フラエッテを場に残す
・ユキメノコへムーンフォースを通す
・次のふいうち圏内までユキメノコを削る
という複数の結果を、同じターンで作りました。
将棋の棋譜風に見るなら、
「この1手から盤面が山崎選手側へ大きく動いた」
と置ける場面です。
まとめ
WCS2026準決勝、山崎琢選手とザカリー・ウィード選手の3試合を棋譜風に追ってみると、勝敗だけでは見えにくかった流れがかなりはっきりしました。
第1戦は、山崎選手のカイリューに対してユキメノコを合わせられ、先発の時点ではかなり苦しいスタート。
それでも、
カイリューをドドゲザンへ交代
イダイトウをまもる
ドドゲザンをガブリアスへ交代
と盤面を動かし、何度も相手の狙いを外しています。
結果的には第1戦を落としましたが、一方的に押し切られた試合ではありませんでした。
第2戦ではカイリューを外し、フラエッテを選択。
今度はそのフラエッテに対してスコヴィランを合わせられます。
ここでも選出の噛み合わせ自体はザカリー選手側が上。
それでも、フラエッテがアクアジェットをHP1で耐え、マジカルシャインを返したことで一気に盤面が変わります。
山崎選手が第2戦を取り返し、1勝1敗。
そして第3戦。
山崎選手は再びフラエッテを選びます。
この試合で一番大きかったのが、
ガブリアス → ドドゲザン
への交代。
ザカリー選手のユキメノコがガブリアスを狙って「ふぶき」を撃つところを、ドドゲザンで受ける。
その横でフラエッテがムーンフォースをユキメノコへ通す。
この1ターンで、
ガブリアスを守る
ユキメノコの狙いを外す
フラエッテを場に残す
ユキメノコを大きく削る
という複数のことを同時にやっています。
その後、ドドゲザンのふいうちでユキメノコを倒し、最後はガブリアスのじしんで締め。
山崎選手が2勝1敗で決勝進出を決めました。
3試合を通して見ると、山崎選手は最初からすべて噛み合っていたわけではありません。
むしろ第1戦、第2戦はザカリー選手の方が先発の読みで上回っていた場面もありました。
それでも試合中に盤面を作り直し、第3戦では自分が一番作りたかった
「フラエッテ対ユキメノコ」
の形まで持っていった。
将棋の棋譜のように1手ずつ追うと、強かったのは最後の攻撃だけではなく、
その攻撃が通る盤面を数手前から作っていたこと
だったように見えます。
世界大会準決勝のBO3は、3試合を別々に見るより、
第1戦で情報を集め、第2戦で修正し、第3戦で狙った形を完成させた一つの長い対局
として見ると、より分かりやすい試合でした。

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