2026年10月、GMOインターネットグループのサービスが不正アクセスを受けたというニュースを見ました。
攻撃者とみられる人物から、約80億円もの金額を要求されたという報道や公式発表もあります。
このニュースを見て、私は素朴な疑問を持ちました。
「そんなすごい技術があるなら、犯罪なんかしなくても普通に大金を稼げるんじゃないの?」
例えば、株やFXの自動売買ソフトを作ったり、AIでYouTubeのショート動画を大量に作ったり、便利なアプリを販売したり。
プログラミングの知識があまりない私からすると、すごいハッカーなら何でも作れそうに思えてしまいます。
今回は、この疑問を小学生でもわかるように考えてみます。
※この記事は2026年10月28日時点の公開情報をもとにした解説と筆者の考察です。今回の攻撃者の正体、技術力、目的、実際の収入などを断定するものではありません。
そもそもGMOで何が起きたの?
GMOインターネットが提供する「お名前.com デスクトップクラウド」というサービスで、不正アクセスが確認されました。
これはインターネットを通じて離れた場所にあるパソコン環境を利用できるサービスで、FXの自動売買などにも使われています。
2026年10月23日のGMO公式発表では、影響を受けた可能性があるサーバーは26,739件とされました。
ただし、これは実際に侵入されたサーバーが26,739件あるという意味ではありません。
また、攻撃者とみられる者から約80億円を要求されたこともGMOが公表しています。
GMOは要求には応じない方針を示し、警察などと連携して対応を進めています。
ハッカーって何でもできる天才なの?
まず、ここが大切です。
ハッカーだからといって、すべてのプログラムを作れるわけではありません。
例えば、お医者さんにも外科医、内科医、眼科医などの専門分野があります。
コンピューターの世界も同じです。
- コンピューターの弱点を見つける人
- Webサイトを作る人
- スマートフォンのアプリを作る人
- AIを研究する人
- 株やFXの取引システムを作る人
どれもコンピューターの技術ですが、必要な知識は違います。
また、不正アクセスを行う人が必ずしも自分で高度なプログラムを開発しているとは限りません。
既存のツールを利用したり、複数人で役割を分担したりする場合もあります。
今回の事件についても、攻撃者がどのような技術を持っているかは、公開情報だけでは判断できません。
疑問① すごいハッカーなら株やFXで勝てるソフトを作れる?
私が一番気になったのは、これです。
コンピューターに詳しいなら、株価や為替の動きを分析して、自動的にお金を増やすソフトを作れるのではないでしょうか。
株とFXって何?
株とは、会社が発行する株式を買うことです。
例えば、1株1,000円で買った株が1,200円になれば、売却時に200円の利益が出ます。
反対に800円になれば、200円の損失です。
※手数料や税金などは考えない簡単な例です。
FXは、円やドルなどの外国のお金を売買し、為替レートの変化によって利益を狙う取引です。
どちらも利益が出ることもあれば、損をすることもあります。
自動売買ソフトは本当に存在する?
はい。実際に存在します。
例えば、FXではEA(エキスパートアドバイザー)と呼ばれる自動売買プログラムが利用されています。
株式市場でも、コンピューターが決められた条件に従って注文するアルゴリズム取引が行われています。
人間が画面を見続けなくても、設定した条件に従って売買できる仕組みです。
じゃあ、必ず儲かるの?
いいえ。ここが最大の落とし穴です。
プログラムが正確に動くことと、未来の株価を正確に予想できることは別だからです。
例えば、明日ある会社の株価が上がるか下がるかは、ニュース、景気、企業業績、投資家の行動など、さまざまな要因に左右されます。
どんなに計算が速くても、未来を完全に知ることはできません。
さらに、取引には手数料や価格差などのコストもかかります。
つまり、すごいプログラマーでも、必ず勝てる投資ソフトを作れるわけではないのです。
疑問② AIを使えばYouTubeで毎日100万再生できる?
これも私が思ったことです。
プログラミングが得意なら、AIを使ってYouTubeショート動画を自動で作る仕組みも開発できそうです。
例えば、こんな作業です。
- 話題になっているテーマを調べる
- AIで動画の台本を作る
- 画像や映像を作る
- AI音声でナレーションを付ける
- 字幕を入れて動画を完成させる
- 再生回数などのデータを分析する
こうした工程の一部は、AIやプログラムによって自動化できます。
しかし、毎日100万再生されるとは限りません。
なぜなら、動画を見るかどうかを決めるのは視聴者だからです。
動画を大量に作れることと、面白い動画を作れることは同じではありません。
また、YouTubeの収益化には参加条件やコンテンツに関するルールがあります。
AIで作った動画だから必ず収益化できるわけでもありません。
疑問③ 自動売買ソフトを販売すれば大金持ちになれる?
自分で投資して勝つのが難しいなら、便利なソフトを作って販売する方法も考えられます。
例えば、株価の変化をわかりやすく表示するアプリや、投資記録を管理するソフトです。
仮に月額980円のサービスを販売すると、売上は次のようになります。
| 有料利用者 | 月間売上 | 年間売上 |
|---|---|---|
| 100人 | 98,000円 | 117万6,000円 |
| 1,000人 | 98万円 | 1,176万円 |
| 10,000人 | 980万円 | 1億1,760万円 |
※これは利用者全員が12か月間支払い続けた場合の単純計算です。実際の利益ではありません。
サーバー代、開発費、広告費、税金などもかかります。
そして何より、1万人に使ってもらえるサービスを作るのは簡単ではありません。
投資の具体的な売買判断を助言するサービスなどは、内容によって金融商品取引法上の登録が必要になる場合もあります。
技術力だけでなく、法律や経営の知識も必要になるのです。
疑問④ ほかにも合法的に稼ぐ方法はある?
もちろんあります。
| ビジネス | どんな仕事? | 難しいところ |
|---|---|---|
| AI動画制作 | 動画を効率よく作る | 面白い企画と集客 |
| 株・FX分析ソフト | 投資データを分析する | 分析精度と法令対応 |
| 業務自動化 | 会社の面倒な作業を減らす | 顧客の仕事を理解する |
| セキュリティ診断 | 許可を得て弱点を調べる | 専門知識と信頼 |
| アプリ販売 | 便利な道具を開発する | 利用者を集める |
| 教材販売 | 技術を人に教える | 正確さと説明力 |
特に、企業から正式な許可を得てセキュリティを調査する仕事は、コンピューターの弱点を見つける知識を社会の役に立てる方法です。
こうした専門家は、ホワイトハッカーと呼ばれることがあります。
疑問⑤ それなのに、なぜ犯罪をする人がいるの?
ここからは筆者の考察です。
理由は人によって異なり、今回の攻撃者についても本当の動機はわかりません。
ただ、考えられることはいくつかあります。
理由1:短期間で大金を要求できるから?
普通の商売では、商品を作り、お客さんを集め、少しずつ売上を増やす必要があります。
一方、身代金を要求する犯罪では、最初から巨額のお金を要求することがあります。
ただし、要求した金額を実際に受け取れるとは限りません。
今回もGMOは要求に応じない方針を公表しています。
理由2:技術力はあっても商売が苦手だから?
プログラムを作る能力と、商品を売る能力は別です。
お客さんの悩みを理解すること、宣伝すること、問い合わせに対応することなど、商売には別の能力が必要です。
ただし、これが今回の攻撃者に当てはまるという証拠はありません。
理由3:犯罪の危険を軽く考えているから?
犯罪でお金を得ようとすれば、逮捕や刑罰、損害賠償、犯罪収益の没収などの重大なリスクがあります。
自分の人生だけでなく、被害を受けた人の生活や仕事にも深刻な影響を与えます。
技術が優れていることは、犯罪を正当化する理由にはなりません。
疑問⑥ ハッカーと普通のプログラマーは何が違う?
「ハッカー」という言葉は、もともとコンピューター技術に詳しい人を指す場合もあります。
必ずしも犯罪者という意味ではありません。
重要なのは、技術をどのように使うかです。
例えば、他人の家の鍵の弱点を見つける技術があったとします。
持ち主の許可を得て防犯対策を手伝うなら、役に立つ仕事です。
しかし、許可なく家に入って物を盗めば犯罪です。
コンピューターも同じです。
すごい技術を持っているかどうかより、その技術を何に使うかが大切なのです。
疑問⑦ 普通の人でもAIを使ってソフトを作れる?
ここは私自身も興味があるところです。
今はChatGPTやClaude、Codexなど、プログラミングを手伝ってくれるAIがあります。
もちろん、AIに頼めば何でも完璧に完成するわけではありません。
間違ったコードが生成されることもあり、安全性の確認やテストも必要です。
それでも、以前よりプログラミングに挑戦しやすい環境になっています。
例えば、私が運営しているブログでも、次のようなソフトを考えられます。
- 検索順位が下がった記事を発見するソフト
- ブログのアクセス数を分析するソフト
- 記事のリンク切れを確認するソフト
- 自分のサイトの異常を監視するソフト
- ブログの収益をグラフで表示するソフト
こうした道具なら、自分のブログ運営にも役立ちます。
いきなり大金を稼ぐソフトを目指すより、まず自分が困っていることを解決するソフトを作るほうが、現実的な第一歩かもしれません。
よくある質問(Q&A)
Q. ハッカーは株で絶対に勝てるの?
いいえ。コンピューターの技術と、株価を予測する能力は別です。どんなに優秀な人でも損失を出す可能性があります。
Q. AIなら株価の未来がわかるの?
いいえ。AIは過去のデータなどを分析できますが、未来を確実に予測することはできません。
Q. FXの自動売買は違法なの?
自動売買そのものが一律に違法というわけではありません。ただし、取引サービスの利用規約や、ソフトの販売・助言に関する法規制には注意が必要です。
Q. AIでYouTube動画を作るのは違法なの?
AIを使って動画を作ること自体が一律に違法というわけではありません。ただし、著作権、肖像権、YouTubeのルールなどを守る必要があります。
Q. ハッカーはみんな犯罪者なの?
いいえ。企業のシステムを守るために働く専門家もいます。
Q. 小学生でもプログラミングはできる?
はい。Scratchなどの学習ツールを使えば、簡単なゲームやアニメーション作りから始められます。
Q. プログラミングができればお金持ちになれる?
必ずなれるわけではありません。技術に加えて、人の役に立つ商品を考えたり、お客さんに届けたりする能力も必要です。
まとめ:すごい技術があっても、お金を稼げるとは限らない
今回のGMO不正アクセス事件のニュースを見て、私は「そんな技術があるなら、もっと別の稼ぎ方があるのでは?」と考えました。
株やFXの自動売買、AIによるYouTube動画制作、アプリ販売、セキュリティ診断など、コンピューターの技術を合法的なビジネスに生かす方法はあります。
しかし、調べてみると、プログラムを作る技術と、実際に利益を出す能力は必ずしも同じではありません。
すごい取引ソフトを作れても、株で必ず勝てるわけではない。
AI動画を大量に作れても、必ず100万再生されるわけではない。
便利なアプリを作れても、必ず売れるわけではない。
技術力だけでなく、人が何を求めているかを考える力も大切なのだと思いました。
そして、もう一つ。
これほどAIが進歩している今、私のようなプログラミング初心者でも、自分に役立つ道具を作れる可能性があります。
犯罪に使われる技術のニュースから、逆に「自分なら何を作ってみたいか」を考えるきっかけになりました。
皆さんなら、すごいプログラミング技術を手に入れたら、何を作ってみたいですか?


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