先に答えを書きます。
相手のリザードンとエルフーンが両方「まもる」を選んでいて、フェイントはそのまもるを解除できる技だから。そして解除された後ろから、イダイトウの「アクアジェット」が通りました。
技の説明としては、これで終わりです。
でも僕が面白いと思ったのは、このフェイントが決勝の土壇場で思いついた一手ではなくて、構築が組まれた時点から仕込まれていた技だったことでした。
それに気付いたのは、優勝構築をそのままコピーして、自分でランクバトルを回してみたあとです。
Xでワトソンさんも、選択ミスって言っておられましたが、
あのフェイントからのアクアジェットは、伝説になる、いやもはや僕の中では伝説化してます!
世界王者の6匹をコピーして、今のところハイパーボール級
WCS2026マスターカテゴリで優勝したのは、ワトソンさんこと山崎琢選手。
決勝を見たあと、僕はこの6匹を『Pokémon Champions』で再現してランクバトルで使っています。
- カイリュー
- オオニューラ
- イダイトウ
- ドドゲザン
- ガブリアス
- フラエッテ
今のところハイパーボール級。マスターボール級には届いていません。
そして使えば使うほど、分からないことが増えました。
- なんでガブリアスに「じだんだ」?「じしん」があるのに
- フェイントって、まもるを破るだけの技じゃないの?
- 「ふいうち」と「アクアジェット」は何が違う?
- なんでイダイトウを後ろに置く?
- そもそも最初の2匹は誰が正解?
同じ6匹を持っていても、同じようには動かせませんでした。
そんな中、ワトソンさん本人が優勝構築「カイリューKBS」の解説記事を公開していたので読んでみたら、引っかかっていたところがかなり答え合わせできました。順番に書きます。
まず、先発から間違っていた
僕が実戦でよく出していた先発は、オオニューラ+イダイトウ。
でも本人が書いている基本選出は違いました。
先発:カイリュー+オオニューラ 後発:ドドゲザン+イダイトウ
狙いもつながっています。
オオニューラで相手の素早さ操作をけん制する。その間にカイリューで相手を削る。相手を先制技で倒せるHPまで落として、最後は後ろのドドゲザンとイダイトウで回収する。
「強い4匹を出す」ではなく、前半と後半が一本の線でつながった選出でした。ここを分かっていなかったので、僕の試合はだいたい後半が雑になっていたんだと思います。
この構築は「速くなる」んじゃなくて「先に殴る」
基本選出の4匹を並べると、全員が先制技を持っています。
| ポケモン | 先制技 | 優先度 |
|---|---|---|
| カイリュー | しんそく | +2 |
| オオニューラ | フェイント | +2 |
| ドドゲザン | ふいうち | +1 |
| イダイトウ | アクアジェット | +1 |
これに気付くと、構築の見え方が変わりました。
相手より速くなるために「おいかぜ」を積む構築ではありません。相手がおいかぜで速くなっても、そもそも先制技で先に殴ればいいという考え方が土台にあります。
フェイントは「まもるを破るだけ」の技じゃなかった
僕が最初に思っていたフェイントの役割は、「相手のまもるを読んで押す技」くらいでした。
でも、それだけではありませんでした。
フェイントは優先度+2。
いたずらごころのエルフーンが「おいかぜ」を使う場合、変化技は特性で優先度+1になります。フェイントの+2はそれより上です。
つまりHPの減ったエルフーンなら、おいかぜを使われる前に落とせる。
ワトソンさん本人も、この点をフェイント採用の理由に挙げています。まもるの解除は、そのうちの片方の顔でしかなかったわけです。
ふいうちは強い。でも万能な先制技ではない
ドドゲザンの「ふいうち」も優先度+1ですが、条件があります。
相手が攻撃技を選んでいて、まだ攻撃していないときにだけ成功する。
だからエルフーンが「おいかぜ」を選んでいたら、変化技なのでふいうちは失敗します。「おいかぜするなら、ふいうちで先に倒せばいい」とはならない。
ここで、さっきのフェイントの+2が効いてきます。同じ先制技でも役割が重なっていませんでした。
ついでに、使っていて気になったのがこれ。
味方のイダイトウが「アクアジェット」、相手のドドゲザンが「ふいうち」。どちらも優先度+1なので、基本は素早さで順番が決まります。
ドドゲザンが先に動けば、イダイトウはまだ攻撃前なのでふいうちは成功する。逆にイダイトウが先にアクアジェットを撃ってしまえば、あとのふいうちは失敗する。
アクアジェットは普通に撃てる。ふいうちは強い代わりに読みが要る。この差は、使ってみるまでピンときていませんでした。
イダイトウが後発なのは、味方が倒れる前提だから
イダイトウには「おはかまいり」があります。味方がひんしになるほど威力が上がる技です。
4匹選出のダブルなら、味方0匹で威力50、1匹で100、2匹で150、3匹で200。
だから基本選出でイダイトウが後発なのが面白いところで、前のカイリューとオオニューラが仕事をしているあいだに味方が倒れていれば、後ろから出てくるイダイトウの火力はすでに上がっています。
味方が倒れることまで、終盤の火力に組み込まれている。
HPが残っている相手には強くなった「おはかまいり」。HPが少ない相手には優先度+1の「アクアジェット」。終盤のイダイトウが強い理由が、やっと分かってきました。
「じだんだ」は、そもそも毎試合出す駒じゃなかった
一番使い方が分からなかったのが、こだわりスカーフのガブリアスです。
「じしんがあるのに、なんでじだんだ?」とずっと思っていました。
本人解説を読むと、そもそもガブリアスの立ち位置が違いました。基本選出の中心ではなく、苦しいマッチアップを補う役。プテラやマフォクシーのようなオオニューラより速い相手を、スカーフ込みでさらに上から叩くための枠です。
そのうえで技の使い分けはこうでした。
- じだんだ:隣の味方を巻き込まずに撃てる単体のタイプ一致地面技
- じしん:全体攻撃が要る相手用
同じ地面技を2つ入れているのではなく、単体で狙いたいときと、全体を削りたいときで別物でした。
僕は毎試合ガブリアスを出そうとして「使いにくいな」と思っていましたが、毎回出すポケモンではなかった。ここが一番の答え合わせでした。
そして決勝、最後の択
構築の中身を分かったうえで、もう一度あの場面を見ます。
終盤に残ったのはこの盤面でした。
ワトソンさん側:オオニューラ+イダイトウ 大西選手側:エルフーン+リザードン
ワトソンさん側には、分かりやすい選択があります。オオニューラで「ねこだまし」を撃ってエルフーンを止めつつ、イダイトウの「アクアジェット」でリザードンを狙う。
でも相手もそれは考える。リザードンが「まもる」を押せば、アクアジェットは防がれます。
そこでフェイントです。まもるを解除してから、アクアジェット。
つまりこうなります。
- 相手がおいかぜ+攻撃なら、ねこだましが正解
- 相手がまもるなら、フェイントが正解
相手側から見ても同じです。攻撃したいけど、ねこだましが怖い。じゃあ守ろうとすると、今度はフェイントが怖い。
完全な安全択がない。
結果は、エルフーンもリザードンもまもる。ワトソンさん側はフェイントでまもるを解除して、そこからアクアジェットが通りました。
フェイントは威力30です。数字だけ見れば強そうには見えません。でも本当の強さは、相手にまもるを押していいのか迷わせることなのかもしれません。
そしてその迷わせる技は、決勝で急に出てきたわけではなく、最初から6匹の中に置いてあった。構築記事を読んでから決勝を見返すと、最後の1手の見え方がかなり変わりました。
今も分かっていないこと
正直に書くと、まだ分かっていないことの方が多いです。
ひとつは、あの盤面で僕なら何を押していたか。頭では「安全択はない」と分かっていても、たぶん自分は守る側に回ったと思います。攻めて外すより、守って外す方が納得しやすい気がしてしまう。この感覚が正しいのかどうか、まだ言語化できていません。
もうひとつはガブリアスです。「毎回出す駒じゃない」までは分かったのに、じゃあどの並びを見たら出すのかの線引きが自分の中にまだありません。ここは試合数を重ねるしかなさそうです。
余談:あの光景、ソード・シールドのチャンピオン戦みたいだった
最後に、決勝を見返していて思ったことをひとつだけ。
大きな会場、たくさんの観客、その真ん中でチャンピオンを決めるポケモンバトル。そしてその舞台にリザードンがいる。
『ポケットモンスター ソード・シールド』のチャンピオン戦です。ガラル地方のチャンピオン・ダンデを象徴するポケモンも、リザードンでした。
ゲームをしていたときは「チャンピオン戦だから派手な演出なんだな」くらいに見ていた気がします。でもWCS2026を見たあとだと、少し違って見えました。
しかもそこで世界一を決めたのは、特別な必殺技ではありません。ねこだましか、フェイントか。守るか、攻めるか。僕らがランクバトルでも悩むような、一つの技選択でした。
世界王者と同じ6匹を揃えれば強くなれる、と最初は少し思っていました。実際は、6匹を揃えたところがようやく入口でした。
次はコピーして使うだけじゃなく、「なぜこの技を押すのか」まで考えながら、もう少しランクバトルをやってみます。目指せマスターボール級。
同じようにワトソン構築を握っている人がいたら、ガブリアスをどのタイミングで選出しているか、コメントかXで教えてほしいです。
9/9でおわりなので最終ハイパーボール級の2で終わりそうです。


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